【米国株】事例研究(成功例②)移動平均とロウソク足を使って米国ETFのトレードを行った結果について

【米国株】事例研究(成功例②)移動平均とロウソク足を使って米国ETFのトレードを行った結果について

はじめに

2020年3月以降の米国株式市場は、新型コロナウィルスによる需要消失を懸念する売りと、政府の大規模な経済対策に対する期待が交錯し、これまでにない乱高下を繰り返す展開となりました。

相場格言に「落ちてくるナイフはつかむな」というものがあります。実際に落ちてくるナイフをつかもうとすると、柄の部分を上手くつかめないとケガをしてしまいます。これを投資の世界になぞらえた投資格言が「落ちてくるナイフはつかむな」というもの。値下がりしている銘柄は上手に買わないと、さらなる値下がりに巻き込まれて含み損を抱えることになるを表しています。

しかし一方で、「もうはまだなり まだはもうなり」という格言もあります。言葉の意味は、もう底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではないかと一応考えてみなさい、反対に、まだ下がるのではないかと思うときは、もうこのへんが底かもしれないと反省してみてはどうか、というものです。

つまり、微妙な相場の変化に対して、自分だけの独善的な判断を振り回すことが、いかに危険であるかを説いた言葉といえます。

事実、心のなかでまだ買うのは早いと思っているときに相場は上がっていき、まだ上がるだろうと思っていると下がってしまう。私もそういう経験を何度もしてきました。投資家の心理と相場の行き違いをズバリ言いあてた格言として、実用価値は十分にありそうです。

ですので、今回は、かなり難易度の高い局面とは思われるものの、最近学習した「移動平均」と「ロウソク足」を組み合わせて売買のタイミングを検討し、大火傷をしないように気を付けつつトレードを実行してみました。

なお、今回のコロナウィルスという市場リスクによる相場変動下では、投資対象は個別銘柄よりもインデックスのほうが分かりやすいと考え、米国市場の主要500銘柄の値動きを反映するS&P500指数に連動するETF(Exchage Trade Fund)「iシェアーズ・コア・S&P500 ETF(NY市場:ティッカーIVV)」を選択しています。

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トレードの検証

今回のトレードの購入と売却の内訳は以下の通りです。

購入:

2020年3月20日 買値:239.32ドル 数量:20口 適用為替レート:111.30 精算金額:539,931円(円ベース)

売却:

2020年4月9日 売値:279ドル 数量:20口 適用為替レート:108.11 精算金額:595,114円(円ベース)

譲渡益額:55,183円 投資収益率:+10.2%

売買のタイミングをチャート図でを俯瞰すると下図のようになります。

TradingView提供のチャート

グランビルの法則

買いタイミングは「移動平均」の読み方の基本である「グランビルの法則」を使用しました。

2020年3月の米国市場において、上の図表の④のような、トレンドが下向きの移動平均線からの下方乖離が大きくなる局面が観察されました。

「グランビルの法則」によると、この局面では短期的な自律反発を狙う投資戦略が有効とのこと。

ただし、テクニカル分析の正答率は概ね6~7割と言われていますので、予想が外れた場合にリカバリーできるようにフルインベストメントは避け、自分の米ドルの投資余力の1/4程度を投資することにしました。

ロウソク足

売却タイミングは、「ロウソク足」を使用して検討しています。

はらみ線(陰陽2本の組み合わせパターン)

売却の前日には上図の「はらみ線」に近いパターンが示現しています。

ロウソク足応用パターン

また、結果論ではありますが、「iシェアーズ・コア・S&P500 ETF(NY市場:ティッカーIVV)」のチャートを見ると、売却当日のロウソク足のパターンは「トンボ」となっており、「はらみ線」とともにチャートの再度の下落を予感させます。

一方、移動平均線に着目すると、25日線(青の実線)を5日線(赤の実線)が下から上へ突き抜けるいわゆる「ゴールデンクロス」が示現しています。「移動平均」の考え方では「ゴールデンクロス」は買いのシグナルですが、中期線(この場合25日線)が下向きのまま短期線(この場合5日線)が上抜くチャートはだましも多いため注意が必要です。

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まとめ

万能な投資戦略など存在しないと思いますが、今回の「グランビルの法則を用いた株価の移動平均線からの下方拡大局面における自律反発狙いの買い」と「ロウソク足を用いた転換点の推測」によって利益を獲得できる場合があることがわかりました。

また、個人的には「ロウソク足」が今後の米国市場の下落を示唆しているように思われましたので、今後の投資戦略は、常識的にはベア型商品の活用ないしトレード見送りということになるのかと思います。

今般、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大に歯止めがかからない状況です。

日本においても、感染爆発による医療崩壊を水際で食い止めるため、4/7に東京など7都道府県を対象に緊急事態宣言が出されました。宣言の効力は5/6までとのこと。

感染リスクにさらされながら最前線で治療行為を継続する医療従事者の方々、休業要請による需要消失により生活の糧を得ることが難しくなっている自営業者の方々、昼夜を問わず感染抑止に向けた方策を立案・実施する政治関係の方々、社会インフラを維持するために出勤せざるを得ない方々、新学期になっても登校できず外で思い切り遊ぶことも我慢している子供たち、そんなストレスフルな子供たち(あるいは在宅勤務中の我儘な旦那様)とのコミュニケーションに悩むお母さん方、等々、みんな大変な状況です。

自分も現在のところ平日の電車通勤を余儀なくされていますが、マスク着用や手洗いなどの基本行動を徹底したうえで、平日夜間と休日の外出自粛徹底や家族のストレス緩和など、感染拡大抑止に向け自分に出来ることをやっていかなければと考えています。

そして、近日中に世界の株価チャートにも明るい未来の予兆が示現することを切に願っています。

(おわり)

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参考文献

テクニカル分析入門(田中勝博 著/日経文庫/2005年)

右脳でわかる!株式投資トレーニング(窪田真之 著/日本経済新聞社/2008年)

投資脳を鍛える!株の実戦トレーニング(窪田真之 著/日本経済新聞社/2009年)